ANAマイルのお得な貯め方12選 初心者でも貯まる方法を解説

ANAマイルのお得な貯め方、初心者でも貯まる方法を解説

「マイルを貯めて無料で旅行に行きたい」と考えたことがある方は多いのではないでしょうか。中でも、日本の代表的な航空会社であるANA(全日本空輸)が提供する「ANAマイル」は、その貯めやすさと使い道の豊富さから、多くの人々に注目されています。しかし、いざ貯めようと思っても、「何から始めればいいかわからない」「飛行機にあまり乗らないから貯まらないのでは?」と不安に感じるかもしれません。

実は、ANAマイルは飛行機に乗る「フライト」だけでなく、日常生活のさまざまなシーンで効率的に貯めることが可能です。クレジットカードでの支払いはもちろん、ネットショッピング、外食、ふるさと納税、さらにはポイントサイトの活用など、その方法は多岐にわたります。これらの方法を組み合わせることで、飛行機に乗る機会が少ない「陸マイラー」と呼ばれる人たちも、驚くほどのマイルを貯めています。

この記事では、ANAマイルを貯める上で知っておくべき基本的な知識から、初心者でも今日から始められる具体的な12の貯め方、マイルを加速させるおすすめのクレジットカード、そして貯めたマイルを最大限に活用する方法まで、網羅的に解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたも自分に合ったANAマイルの貯め方を見つけ、目標に向かって着実にマイルを貯め始めることができるでしょう。さあ、お得なマイル生活への第一歩を踏み出しましょう。

ANAマイルを貯める前に知っておきたい基本

ANAマイルを効率的に貯める旅を始める前に、まずは基本的な知識をしっかりと押さえておきましょう。「ANAマイルとは何か」「1マイルの価値はいくらなのか」「有効期限はあるのか」という3つのポイントを理解することが、今後のマイル戦略を立てる上での重要な土台となります。これらの基本を知ることで、ただマイルを貯めるだけでなく、その価値を最大限に高める行動ができるようになります。

ANAマイルとは

ANAマイルとは

ANAマイルとは、ANA(全日本空輸)が提供するマイレージプログラム「ANAマイレージクラブ」で貯まるポイントのことです。このプログラムの会員になること(入会金・年会費無料)で、誰でもマイルを貯め始めることができます。

一般的に「マイル」と聞くと、飛行機に乗ることで貯まるポイントというイメージが強いかもしれません。もちろん、ANAや提携航空会社の飛行機に搭乗することで「フライトマイル」が貯まりますが、ANAマイルの最大の特徴は、それ以外にも非常に多くの貯め方が用意されている点にあります。

  • クレジットカード決済:日常の買い物をANAカードで支払う
  • ネットショッピング:ANAの専用サイトを経由して買い物をする
  • 外食や宿泊:提携しているレストランやホテルを利用する
  • ポイント交換:他の企業のポイントをANAマイルに交換する

このように、空の上だけでなく、地上でのあらゆる消費活動を通じてマイルを貯めることができるため、飛行機に乗る機会が少ない人でも十分にマイルを貯めることが可能です。このような人々は、親しみを込めて「陸マイラー(おかマイラー)」と呼ばれています。

貯めたマイルは、無料の航空券である「特典航空券」との交換が最も人気ですが、それ以外にも座席のアップグレード、旅行商品の支払いに使える「ANA SKY コイン」への交換、提携先のポイントや商品との交換など、多彩な使い道が用意されています。

つまり、ANAマイルとは、日々の生活を少し工夫するだけで、非日常の体験である「旅行」に繋げることができる、夢のあるポイントプログラムなのです。まずはANAマイレージクラブに入会し、自分の会員番号(お客様番号)を取得することからすべてが始まります。

ANAマイルの価値は1マイルあたりいくら?

ANAマイルを貯める上で最も重要な概念が、「1マイルの価値は固定ではなく、交換先によって大きく変動する」という点です。これを理解しているかどうかで、マイル活用の満足度が劇的に変わります。一般的に、1マイルの価値は1円から10円以上まで、使い方次第で大きな差が生まれます。

交換先 1マイルあたりの価値(目安) 特徴
特典航空券(国際線ビジネスクラス以上) 5円~15円以上 最も価値が高くなる使い方。少ないマイルで高額な航空券が手に入る可能性がある。
特典航空券(国内線・国際線エコノミー) 2円~5円程度 比較的少ないマイルで交換でき、お得度が高い。
ANA SKY コイン 1.0円~1.7円 10円単位で航空券やツアー代金に充当可能。柔軟性が高いが、価値は特典航空券に劣る。
提携ポイント・電子マネーへの交換 約1.0円 楽天ポイントやTポイントなどへ交換可能。利便性は高いが、マイルの価値は下がる。
ANAセレクション(商品交換) 0.5円~1.0円未満 家電や食品と交換。多くの場合、最もマイルの価値が低くなる使い方。

上記の表からもわかる通り、ANAマイルの価値を最大化する最も効果的な方法は、特典航空券、特に国際線のビジネスクラスやファーストクラスへの交換です。

具体例で考えてみましょう。
例えば、東京-ニューヨーク間のビジネスクラス往復航空券が80万円だったとします。これを特典航空券で交換する場合、レギュラーシーズンで85,000マイルが必要です。この場合の1マイルの価値は「800,000円 ÷ 85,000マイル ≒ 9.4円」となります。
一方で、同じ85,000マイルをANA SKY コインに交換した場合、交換レートが最大1.7倍だとしても「85,000マイル × 1.7 = 144,500コイン(144,500円相当)」にしかなりません。この場合の1マイルの価値は1.7円です。

このように、同じマイル数でも、使い方によってその価値には5倍以上の差が生まれることがあります。もちろん、ANA SKY コインは特典航空券に空きがない場合でも航空券の購入に充当できたり、有効期限が迫ったマイルの救済策になったりと、非常に便利な使い道です。しかし、マイルを貯めるモチベーションを維持するためにも、「1マイルの価値は、使い方次第で青天井に高まる可能性がある」ということを常に意識しておくことが重要です。まずは、目標とする特典航空券に必要なマイル数を調べ、そこから逆算して日々のマイル活動に取り組むことをおすすめします。

ANAマイルの有効期限

ANA SKY コインへの交換、ダイヤモンドサービスメンバーになる、特定のクレジットカードを保有する

ANAマイルを貯める上で、価値と同じくらい重要なのが「有効期限」の管理です。せっかく貯めたマイルも、使わずにいると失効してしまいます。

ANAマイルの有効期限は、原則として「マイルが積算された月から数えて36カ月後の月末まで」と定められています。
例えば、2024年4月10日に獲得したマイルは、3年後の2027年4月30日まで有効です。このルールは、フライトで得たマイルも、ショッピングで得たマイルも同様に適用されます。

3年間という期間は長く感じられるかもしれませんが、目標とする特典航空券(特に国際線)には数万から十数万マイルが必要になるため、計画的に貯めていかないと、最初に貯めたマイルから順番に失効していく可能性があります。

有効期限を実質的に延長する方法

マイルの有効期限が迫ってきた場合、いくつかの対策があります。

  1. ANA SKY コインへの交換:マイルをANA SKY コインに交換すると、交換した日から12ヶ月後の末日まで有効期限が延長されます。1マイルから交換できるため、失効間近の少量マイルを無駄なく活用するのに非常に有効です。ただし、一度SKYコインに交換するとマイルに戻すことはできません。
  2. ダイヤモンドサービスメンバーになる:ANAの上級会員である「ダイヤモンドサービスメンバー」の期間中は、マイルの有効期限がなくなります。これは頻繁に飛行機に乗る方向けの特典です。
  3. 特定のクレジットカードを保有する(期間限定):過去には「ANAアメリカン・エキスプレス・カード」のポイント(リワードポイント)は有効期限が無期限で、好きなタイミングでマイルに交換することで実質的に有効期限をコントロールできるという大きなメリットがありましたが、現在はANAマイルへの交換には有効期限が設定されています(カードにより異なる)。最新のカード規約を確認することが重要です。

マイルを失効させないための最も基本的な対策は、ANAの公式ウェブサイトやアプリに定期的にログインし、自身のマイル残高と有効期限を確認する習慣をつけることです。多くの陸マイラーは、スプレッドシートなどで毎月のマイル獲得数と失効予定日を管理しています。目標を設定し、計画的にマイルを貯め、使うことが、マイル失効を防ぐ最善の策と言えるでしょう。

【初心者でも簡単】ANAマイルのお得な貯め方12選

ANAマイルは、日常生活のあらゆる場面で貯めるチャンスがあります。ここでは、初心者でもすぐに始められるお得な貯め方を12種類、厳選してご紹介します。これらの方法を複数組み合わせることで、マイルは飛躍的に貯まりやすくなります。

① 飛行機に乗って貯める(フライトマイル)

ANAマイルの最も基本的な貯め方が、飛行機への搭乗で貯まる「フライトマイル」です。ANAグループ便はもちろんのこと、同じ航空連合である「スターアライアンス」加盟航空会社や、その他の提携航空会社の便に搭乗することでもマイルが貯まります

フライトマイルの計算方法は以下の通りです。
フライトマイル = 区間基本マイレージ × 予約クラス・運賃種別ごとの積算率

  • 区間基本マイレージ:出発地と到着地の距離に応じて定められた固定のマイル数です。例えば、東京(羽田)-大阪(伊丹)間は280マイル、東京(羽田)-沖縄(那覇)間は984マイルと決まっています。(参照:ANA公式サイト)
  • 積算率:購入した航空券の運賃種別(普通運賃、割引運賃、パッケージツアーなど)や予約クラス(エコノミー、ビジネス、ファーストなど)によって変動します。積算率は30%~150%以上と幅広く、一般的に航空券の価格が高いほど積算率も高くなる傾向にあります。

さらに、ANAカードを保有していると、通常のフライトマイルに加えて「ANAカード会員限定ボーナスマイル」が加算されます。カードの種類によって異なり、搭乗ごとに区間基本マイレージの10%~50%のボーナスがもらえます。出張や旅行で飛行機に乗る機会が多い方は、ANAカードを持つだけでマイルの貯まるスピードが格段にアップします。

② 毎日の支払いで貯める(クレジットカード決済)

飛行機に乗る機会が少ない「陸マイラー」にとって、マイルを貯める活動の根幹となるのが、クレジットカード決済です。家賃、光熱費、通信費、食費、交際費など、日常生活におけるあらゆる支払いをANAカードに集約することで、特別なことをしなくてもマイルが着実に貯まっていきます。

多くのANAカードでは、決済額200円または100円につき1ポイント(提携カード会社のポイント)が貯まり、そのポイントをマイルに交換する仕組みになっています。標準的な交換レートは「1ポイント = 0.5マイル」(還元率0.5%)ですが、多くのカードでは年会費とは別に「マイル移行手数料」(年間6,600円(税込)など)を支払うことで、「1ポイント = 1マイル」(還元率1.0%)のレートで交換できます。

例えば、年間200万円の決済を還元率1.0%のANAカードで行った場合、それだけで20,000マイルが貯まります。これは東京-沖縄間の往復特典航空券(レギュラーシーズン18,000マイル)に相当するマイル数です。日々の支払いを一枚のカードにまとめるだけで、毎年国内旅行に行けるほどのマイルが貯まると考えると、その効果の大きさがわかるでしょう。どのANAカードを選ぶかが、マイルを効率的に貯める上で非常に重要な戦略となります。

③ ポイントサイトを活用して貯める(ポイ活)

短期間で大量のANAマイルを獲得したい場合に最も強力な方法が、ポイントサイトの活用です。いわゆる「ポイ活」と呼ばれるもので、多くの陸マイラーがこの方法で年間数十万マイルを獲得しています。

ポイントサイトとは、サイト内に掲載されている広告(サービス)を利用することで、ユーザーに独自のポイントが付与される仕組みのウェブサイトです。貯めたポイントは現金や電子マネーのほか、ANAマイルにも交換できます。

ポイントがもらえる案件には、以下のようなものがあります。

  • クレジットカード発行:1枚発行で数千~1万ポイント以上
  • FX・証券口座開設と取引:1口座開設で1万~数万ポイント
  • ネットショッピング:購入金額の数%
  • アンケート回答、アプリダウンロード:数十~数百ポイント

特に、クレジットカード発行やFX口座開設といった高額案件をいくつかこなすだけで、数万マイル相当のポイントを一度に獲得することが可能です。これらのポイントを、後述する交換ルートを通じてANAマイルに交換することで、フライトや日常決済だけでは到底達成できないスピードでマイルを貯めることができます。マイルを本格的に貯めたいと考えるなら、ポイントサイトへの登録は必須と言っても過言ではありません。

④ ネットショッピングで貯める(ANAマイレージモール)

普段から楽天市場やYahoo!ショッピング、ユニクロオンラインストアなどで買い物をしている方は、「ANAマイレージモール」を経由するだけで、もっとお得にマイルを貯められます。

ANAマイレージモールは、ANAが運営するポイントアップサイトです。このサイトを経由して提携先のオンラインショップで買い物をするだけで、通常のショップポイントやクレジットカードのポイントに加えて、購入金額に応じてANAマイルが直接加算されます。

利用方法は非常に簡単です。

  1. ANAマイレージモールにアクセスし、ANAマイレージクラブのお客様番号でログインする。
  2. 利用したいショップを選び、「このショップへ行く」ボタンをクリックする。
  3. あとは通常通り買い物をするだけ。

これだけで、例えば「購入200円につき1マイル」といった形でマイルが貯まります。参加ショップは数百店舗に及び、総合通販、ファッション、家電、旅行予約サイトなど、あらゆるジャンルを網羅しています。ネットショッピングをする際には、「まずANAマイレージモールで探す」という習慣をつけるだけで、年間で数千マイルを上乗せすることが可能です。

⑤ 街中のお店で貯める(ANAカードマイルプラス)

ネットだけでなく、街中での買い物でもマイルを二重、三重に貯めるチャンスがあります。それが「ANAカードマイルプラス」という制度です。

これは、全国にある提携店(ANAカードマイルプラス加盟店)でANAカードを使って支払いをすると、通常のクレジットカードのポイントとは別に、追加で100円または200円につき1マイルが直接貯まるという非常にお得なサービスです。

代表的な加盟店には以下のようなお店があります。

  • コンビニ:セブン-イレブン
  • ドラッグストア:マツモトキヨシ、ココカラファイン
  • ガソリンスタンド:ENEOS
  • 百貨店:高島屋、大丸、松坂屋
  • ホテル・旅館:提携ホテル多数
  • その他:スターバックス(カードへのオンライン入金)など

例えば、セブン-イレブンで1,000円の買い物を還元率1.0%のANAカードで支払った場合、クレジットカードのポイントとして10マイル相当が貯まるのに加え、ANAカードマイルプラスの特典として5マイル(200円につき1マイル)が加算され、合計で15マイル相当が貯まることになります。いつものお店が対象になっていないか確認し、意識してANAカードを使うだけで、マイルの積算効率は着実に向上します。

⑥ ふるさと納税で貯める

ふるさと納税は、実質2,000円の自己負担で応援したい自治体に寄付ができ、返礼品がもらえる人気の制度ですが、このふるさと納税もANAマイルを貯める絶好の機会です。

マイルを貯める方法は主に3つあります。

  1. ANAのふるさと納税を利用する:ANAが運営するふるさと納税サイトで、寄付金額100円につき1マイルが直接貯まります。さらにANAカードで決済すればクレジットカードのポイントも貯まるため、マイルの二重取りが可能です。
  2. ポイントサイト経由で各ふるさと納税サイトを利用する:ポイントサイトを経由して「楽天ふるさと納税」や「さとふる」などを利用すると、寄付金額の数%がポイントサイトのポイントとして還元されます。このポイントをANAマイルに交換します。
  3. 各ふるさと納税サイトで直接カード決済する:ANAカードで支払うことで、寄付金額に応じたクレジットカードのポイント(マイル)が貯まります。特に「楽天ふるさと納税」なら楽天ポイントも貯まり、それをANAマイルに交換することもできます。

高額な寄付をする方も多いふるさと納税は、一度に大量のマイルを獲得できるチャンスです。どの方法が最もマイル還元率が高くなるか、キャンペーン情報なども含めて比較検討することが、賢くマイルを貯めるコツです。

⑦ 旅行や出張のホテル宿泊で貯める

旅行や出張でホテルに宿泊する際にも、ANAマイルを貯める方法が複数用意されています。

最も簡単なのは、ANAマイレージモールを経由してホテル予約サイトを利用する方法です。楽天トラベル、じゃらんnet、Booking.com、Expediaなど、主要な予約サイトのほとんどが提携しており、モールを経由するだけで宿泊料金に応じたマイルが加算されます。

また、「ANAトラベラーズ ホテル」を利用すると、宿泊プランに応じて1泊あたり数百マイルが貯まるなど、直接マイルが積算されるメリットがあります。

さらに、IHG(インターコンチネンタルホテルズグループ)やマリオット・ボンヴォイ、ヒルトン・オナーズといった大手ホテルチェーンの会員プログラムのポイントをANAマイルに交換するという方法もあります。ホテルに頻繁に宿泊する方は、航空会社のマイルだけでなく、ホテルのポイントプログラムも併用することで、より効率的にマイルを貯めることができます。出張や旅行の計画を立てる際は、どの予約方法が最もマイルを貯められるか、一考する価値があります。

⑧ 外食で貯める(ANAグルメマイル)

友人との食事や会社の飲み会など、外食の機会でもマイルを貯められるのが「ANAグルメマイル」です。

これは、全国の提携レストランを利用することで、マイルが貯まるサービスです。提携店は、居酒屋から高級レストランまで幅広く、ランチやディナーで利用できます。

マイルの貯め方は2パターンあります。

  1. マイルプラス加盟店:会計時にANAカードで支払うと、クレジットカードのポイントとは別に、100円または200円につき1マイルが自動的に積算されます。
  2. 来店・提示で貯めるお店:会計時にANAマイレージクラブカードまたはANAカードを提示することで、利用金額や来店人数に応じてマイルが積算されます。

特に、飲み会などの幹事を引き受け、支払いを自分のANAカードにまとめることで、一度にまとまったマイルを獲得することが可能です。お店を予約する際には、ANAグルメマイルのサイトで対象店舗を検索する習慣をつけるだけで、楽しみながらマイルを貯めることができます。

⑨ スマホ決済で貯める(ANA Pay)

キャッシュレス決済の普及に伴い、ANAも独自のスマホ決済サービス「ANA Pay」を提供しており、これを利用することでもマイルが貯まります。

ANA Payは、ANAマイレージクラブアプリから利用できるタッチ決済(Visa、iD)およびコード決済サービスです。マイルをチャージして使う「マイルペイ」と、ANAカードなどからチャージして使う「キャッシュペイ」の2つの機能があります。

マイルを貯める観点では「キャッシュペイ」が重要です。ANAカードからチャージする際にマイルが貯まり(チャージボーナスマイル)、さらにANA Payで決済する際にもマイルが貯まります(決済マイル)。これにより、チャージと決済でマイルの二重取りが可能になります。

例えば、特定のANAゴールドカードからチャージすると1,000円につき最大11マイル、さらに決済で200円につき1マイルが貯まるなど、組み合わせ次第で高い還元率を実現できます。スマホ一つでスマートに支払いながらマイルも貯められる、現代的なマイル獲得方法です。

⑩ 他社のポイントを交換して貯める

日常生活のさまざまなサービスで貯まる「他社のポイント」をANAマイルに交換することも、重要なマイル獲得源の一つです。多くの人が意識しないうちに、交換可能なポイントを保有していることがあります。

交換可能な主要なポイントと、基本的な交換レートは以下の通りです。(レートは変動する可能性があります)

交換元のポイント 基本的な交換レート(→ANAマイル)
楽天ポイント 2ポイント → 1マイル
Tポイント 1ポイント → 0.5マイル
nanacoポイント 500ポイント → 250マイル
Vポイント(SMBCグループ) 1ポイント → 0.5マイル
JRE POINT 1,500ポイント → 500マイル
Marriott Bonvoyポイント 3ポイント → 1マイル (+ボーナスあり)

特に注目すべきは、ポイントサイトで貯めたポイントです。これらのポイントは、一度ドットマネーやPeXといった中継サイトのポイントに交換し、そこから最適なルートを選ぶことで、より高いレートでANAマイルに交換できます。

特典航空券まであと少しマイルが足りない、という時に、手持ちの提携ポイントを確認してみましょう。思わぬところにお宝が眠っているかもしれません。

⑪ 銀行や証券の利用で貯める

銀行取引や証券投資といった金融サービスの利用でも、ANAマイルを貯めることができます。日々の資産管理をしながら、マイルも獲得できる一石二鳥の方法です。

  • 銀行取引
    • スルガ銀行ANA支店:給与振込や口座振替、外貨預金などで毎月マイルが貯まります。専用のデビットカード決済でもマイルが貯まるため、クレジットカードを持てない方にもおすすめです。
    • 新生銀行:毎月のエントリーや口座振替などでTポイントが貯まり、それをANAマイルに交換できます。
  • 証券取引
    • SBI証券:投資信託の月間平均保有額に応じてポイントが貯まる「投信マイレージ」サービスを提供。選ぶポイントによってANAマイルも貯められます。
    • マネックス証券:株式手数料や投資信託の保有で「マネックスポイント」が貯まり、これをANAマイルに交換できます。

給与振込口座や投資先の証券会社を「マイルが貯まるかどうか」という視点で見直してみることで、新たなマイル獲得の道が開けるかもしれません。

⑫ 公共料金の支払いで貯める(ANAでんき)

2016年の電力自由化以降、さまざまな企業が電力サービスに参入していますが、ANAも「ANAでんき」という電力サービスを提供しています。

ANAでんきに切り替えると、毎月の電気料金に応じてマイルが貯まります。具体的には、月々の電気料金から算定される「マイル還元相当額」に応じて、200円につき1~3マイルが積算されます。さらに、新規契約時にはボーナスマイルがもらえるキャンペーンが実施されることもあります。

もちろん、電気料金の支払いはANAカードで行うことで、クレジットカードのポイントも貯まります。つまり、「ANAでんき利用のマイル」と「カード決済のマイル」の二重取りが可能です。電気は毎月必ず使うものなので、一度切り替えてしまえば、あとは自動的にマイルが貯まり続けることになります。引っ越しや契約見直しの際には、有力な選択肢となるでしょう。

ANAマイルを効率的に貯めるためのおすすめクレジットカード

ANAマイルを貯める上で、フライト利用と並んで、あるいはそれ以上に重要となるのが「どのクレジットカードを選ぶか」です。ANAカードは種類が非常に多く、それぞれ年会費やマイル還元率、付帯サービスが異なります。自分のライフスタイルに最適な一枚を見つけることが、マイル獲得を成功させる鍵となります。

ANAカードの種類と選び方のポイント

ANAカードは、大きく分けて「カードランク」と「提携ブランド」の組み合わせで成り立っています。まずは、自分にとって何が重要かを考え、選択の軸を定めましょう。

年会費とマイル還元率で選ぶ

カード選びの最も基本的な指標は、年会費とマイル還元率のバランスです。

カードランク 年会費(税込)の目安 基本マイル還元率 特徴
一般カード 2,200円程度 0.5%(※1) 最もベーシックなカード。初めての方におすすめ。
ワイドカード 7,975円程度 0.5%(※1) 搭乗ボーナスマイルや保険が充実。出張が多い方向け。
ゴールドカード 15,400円~34,100円 1.0% マイル還元率が高く、ラウンジ利用など特典も豊富。陸マイラーの主力。
プレミアムカード 77,000円~165,000円 1.0%~1.5% 最上級カード。コンシェルジュサービスなど最高レベルの特典。

(※1)一般カードとワイドカードは、別途「10マイルコース」の移行手数料(年間6,600円または5,500円)を支払うことで、還元率を1.0%に引き上げることが可能です。

初心者はまず年会費の安い一般カードから始めるのが手軽ですが、年間決済額が多い(目安として150万円以上)場合は、年会費を払ってでもゴールドカードを持つ方が結果的にお得になるケースが多いです。なぜなら、ゴールドカードは多くの場合、還元率1.0%にするための移行手数料が不要だからです。自身の年間決済額をシミュレーションし、どちらが有利になるかを計算してみることが重要です。

ライフスタイルに合わせて選ぶ

マイル還元率だけでなく、カードに付帯する機能やサービスも重要な選択基準です。

  • 国際ブランド:VISA、Mastercard®、JCB、American Express®、Diners Clubから選べます。加盟店の多さを重視するならVISAやMastercard®、独自の特典やステータスを求めるならAmerican Express®やDiners Clubが選択肢になります。
  • 交通系IC機能:Suica、PASMO、SUGOCAなど、鉄道系のICカード機能が一体になったカードもあります。通勤や普段の移動で利用する路線に合わせて選ぶと、オートチャージなどでさらにポイントを貯めやすくなります。
  • 提携先独自の特典:例えば「ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)」は東京メトロ乗車でポイントが貯まり、「ANA VISA nimocaカード」は福岡エリアでのバス・電車利用でお得になります。
  • 付帯保険:海外・国内旅行傷害保険の内容はカードランクによって大きく異なります。旅行の頻度が高い方は、保険の手厚さもチェックしましょう。
  • 空港ラウンジ利用:ゴールドカード以上のランクになると、国内の主要空港のラウンジを無料で利用できる特典が付帯します。出発前の時間を快適に過ごしたい方には大きなメリットです。

自分の生活圏や消費行動を振り返り、どの機能があれば最も便利でお得になるかを考えることが、後悔しないカード選びに繋がります。

【初心者向け】おすすめのANAカード

これからマイルを貯め始めるという方に、特におすすめの2枚を紹介します。どちらもコストを抑えつつ、マイルを貯める楽しさを実感できるカードです。

ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)

「ソラチカカード」の愛称で知られ、特に首都圏在住の陸マイラーから絶大な支持を受けているカードです。

  • 年会費:2,200円(税込・初年度無料)
  • マイル還元率:0.5%(10マイルコース選択時1.0% ※移行手数料5,500円/年)
  • 特徴
    • ANAカード、JCBカード、PASMO、東京メトロTo Me CARDの4つの機能が1枚に集約。
    • PASMOオートチャージでOki Dokiポイントが貯まる。
    • 東京メトロに乗車するだけでメトロポイントが貯まる(平日5ポイント、土休日15ポイント/1乗車)。
    • 貯まったメトロポイントは「100ポイント → 90マイル」という高レートでANAマイルに交換可能。

通勤などで東京メトロを利用する方であれば、乗るだけで自動的にマイルの原資が貯まっていくため、非常にお得です。かつてはポイントサイトからの交換ルート(ソラチカルート)で最強のカードでしたが、そのルートが閉鎖された現在でも、首都圏ユーザーにとっては依然として魅力的な一枚です。

ANAカード(一般カード)

最もスタンダードで、マイル初心者が最初に持つべきカードとして最適なのが、この一般カードです。VISA、Mastercard®、JCBの主要3ブランドから選べます。

  • 年会費:2,200円(税込・初年度無料)
  • マイル還元率:0.5%(10マイルコース選択時1.0% ※移行手数料6,600円/年)
  • 特徴
    • シンプルでコストが低い。まずはマイルを貯める習慣をつけたい方に最適。
    • 入会・継続時に1,000マイルのボーナスマイルがもらえる。
    • ANA便搭乗時のボーナスマイルが+10%加算される。
    • 国際ブランドを選べるため、自分のメインカードとして使いやすい。

まずはこのカードで日常生活の決済をまとめ、年間決済額が増えてきたらゴールドカードへの切り替えを検討するというステップアップが王道です。まずは低コストで始めてみたい、という方にぴったりの入門カードです。

【本格的に貯めたい方向け】おすすめのANAカード

年間決済額が多く、より効率的に、そしてより快適にマイルを貯めたいと考える方には、ゴールドカード以上のランクがおすすめです。年会費は上がりますが、それを上回るメリットを享受できます。

ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード

ステータスと充実した特典で人気のカードです。特に旅行好きには手厚いサービスが魅力です。

  • 年会費:34,100円(税込)
  • マイル還元率:1.0%
  • 特徴
    • ポイント移行コースへの登録や移行手数料が不要で、自動的に還元率1.0%が適用される。
    • 貯まるポイント(メンバーシップ・リワード®)は、ANAマイルに交換するまで有効期限がないため、マイルの有効期限を気にせず貯められる(※マイルへの年間交換上限あり)。
    • 国内外29空港のラウンジが同伴者1名まで無料で利用可能。
    • 手荷物無料宅配サービス(海外旅行からの帰国時)や充実した旅行傷害保険など、トラベル系の特典が非常に手厚い。
    • ANAグループでの航空券購入やANAカードマイルプラス加盟店での利用でポイントが2倍になるなど、マイルが貯まりやすい仕組みが豊富。

年会費は高めですが、その価値を十分に感じられるサービスが付帯しています。豪華な入会キャンペーンが実施されることも多く、それを機に入会するのも賢い選択です。

ANAワイドゴールドカード

コストパフォーマンスの高さから「陸マイラー最強カード」との呼び声も高い、非常に人気のゴールドカードです。特にVISA、Mastercard®ブランドが人気です。

  • 年会費:15,400円(税込)
  • マイル還元率:1.0%
  • 特徴
    • ANAアメックス・ゴールドより年会費を抑えつつ、還元率1.0%(移行手数料不要)を実現。
    • 特定の条件(WEB明細サービス利用、マイ・ペイすリボ登録など)を満たすことで、年会費が最大10,450円(税込)まで割引される(VISA/Mastercard®の場合)。
    • 国内主要空港のラウンジ利用や、最大5,000万円の旅行傷害保険など、ゴールドカードとしての基本特典はしっかり完備。
    • ANA便搭乗時のボーナスマイルが+25%と高い。
    • 電子マネーiD(VISA)や楽天Edyなどへのチャージでもマイルが貯まる。

特典とコストのバランスが非常に優れており、「本格的にマイルを貯めたいが、年会費はできるだけ抑えたい」という方に最もおすすめできる一枚です。多くの陸マイラーがメインカードとして愛用しています。

もっとマイルを貯めるためのテクニック

もっとマイルを貯めるためのテクニック

基本的なマイルの貯め方を実践し、自分に合ったANAカードを手に入れたら、次はさらにマイル獲得を加速させるための応用テクニックに挑戦してみましょう。ここでは、家族の力を借りる方法と、ポイ活を極めるための知識を紹介します。

家族のマイルを合算する(ファミリーアカウントサービス)

目標達成のスピードアップ、マイルの失効防止、特典の共有

家族それぞれが個別にマイルを貯めていると、特典航空券の交換に必要なマイル数に届かず、有効期限を迎えてしまうことがあります。そんな事態を防ぎ、家族全員で効率的にマイルを活用できるのが「ANAカードファミリーマイル」サービス(2024年4月より「ANAファミリーアカウントサービス」に名称変更予定、サービス内容は同様)です。

このサービスに登録すると、家族それぞれが貯めたマイルを合算し、特典交換の際に利用できるようになります。

  • 対象者:日本在住で、ANAカード(クレジット機能付き)本会員(プライム会員)と、その生計を同一にし同居する配偶者および一親等以内の家族。最大10名まで登録可能です。
  • 登録手数料:1,000マイル(初回登録時のみ)
  • メリット
    • 目標達成のスピードアップ:家族のマイルを合算できるため、高額なマイルが必要な国際線ビジネスクラスなどの特典航空券にも手が届きやすくなります。
    • マイルの失効防止:有効期限が近いマイルや、交換するには中途半端なマイルを持つ家族がいても、合算して使うことで無駄なく活用できます。例えば、父が50,000マイル、母が20,000マイル、子が5,000マイル持っている場合、合計75,000マイルとして特典交換に利用できます。
    • 特典の共有:プライム会員だけでなく、登録した家族(子会員)も、合算したマイルを使って特典航空券を予約できます(ただし、利用できるのは登録された家族の名義分のみ)。

登録方法と注意点
登録は、ANAのウェブサイトから申込書をダウンロードし、必要書類(プライム会員と子会員の関係を証明する書類など)を添付して郵送します。登録完了までには約2週間かかります。

注意点として、一度ファミリーアカウントに登録すると、マイルは個人の口座からではなく、合算された口座(プライム会員の口座)から自動的に引き落とされるようになります。また、特典交換は家族の代表者であるプライム会員が行う必要があります。

家族旅行を目標にしている場合や、家族の中にANAカードを持っているメンバーがいる場合は、このサービスを利用しない手はありません。家族というチームでマイルを貯めることで、楽しみながら、より早く大きな目標を達成できるでしょう。

ポイントサイトからマイルへのお得な交換ルートを知る

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ポイントサイトで大量のポイントを貯めても、それをANAマイルに交換する際の方法次第で、手元に残るマイル数が大きく変わってしまいます。ポイントサイトで貯めたポイントの価値を最大化するには、最適な交換ルートの選定が不可欠です。

かつては「ソラチカルート」(交換率90%)や「TOKYUルート」(交換率75%)といった、非常に高い交換率を誇る鉄板ルートが存在しましたが、これらは残念ながら閉鎖されました。しかし、現在でも工夫次第で高い交換率を実現できるルートは存在します。

ポイント交換は流動的で、新しいルートが登場したり、既存のルートが改悪されたりすることが頻繁に起こります。ここでは、2024年現在で主流となっている交換ルートの考え方を紹介します。

現在の主要な交換ルートの考え方

多くの高還元ルートは、複数のポイントサービスを経由する必要があります。その鍵となるのが「Tポイント」や「Vポイント」といった主要な共通ポイントです。

【ルート例1:通称「みずほルート」や「ニコスルート」を活用するパターン】

  1. ポイントサイト(例:ハピタス、モッピーなど)
  2. ポイント交換サイト(例:ドットマネー、PeXなど)※手数料無料で等価交換できるサイトを選ぶ
  3. Tポイント
  4. JRキューポ(JQ CARDセゾンが必要)
  5. 永久不滅ポイント(みずほマイレージクラブカード/ANAまたはニコスカードが必要)
  6. ANAマイル

このルートは複数のクレジットカードが必要で非常に複雑ですが、最大で70%という高い交換率を実現できます。上級者向けのルートと言えるでしょう。

【ルート例2:よりシンプルなTポイント直接交換ルート】

  1. ポイントサイト
  2. ポイント交換サイト(ドットマネーなど)
  3. Tポイント
  4. ANAマイル

このルートの交換率は「1 Tポイント → 0.5 ANAマイル」なので50%となります。上記のルートに比べると交換率は下がりますが、経由するサイトが少なく、特別なクレジットカードも不要なため、初心者にも分かりやすいのがメリットです。

重要なこと

  • 常に最新情報をチェックする:交換ルートやレートは頻繁に変わります。交換前には、必ず最新の情報をブログやSNSで確認する習慣をつけましょう。
  • 交換にかかる時間を考慮する:ポイント交換には数日から数週間、ルートによっては1ヶ月以上かかる場合もあります。特典航空券の予約など、マイルを使いたい時期が決まっている場合は、余裕を持って交換手続きを開始する必要があります。

ポイントサイトでの活動は、この交換ルートの研究と実践が醍醐味の一つです。少し手間はかかりますが、この知識と実践が、他の人とマイルの貯まり方で大きな差をつける要因となるのです。

貯めたANAマイルの価値ある使い方

特典航空券に交換する、ANA SKY コインに交換する、座席のアップグレードに利用する、提携サービスのポイントや商品に交換する

苦労して貯めたANAマイルは、その価値を最大限に引き出す使い方をしたいものです。「1マイルの価値は交換先によって大きく変動する」という基本を念頭に、どのような使い道があるのか、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

特典航空券に交換する

貯めたマイルの最も価値ある使い方が、無料の航空券である「特典航空券」への交換です。これこそが、多くの人がマイルを貯める最大の目標と言えるでしょう。

  • 必要マイル数:国内線は往復5,000マイルから、国際線は往復12,000マイルから交換可能です。必要マイル数は、①搭乗クラス(エコノミー/ビジネス/ファースト)、②シーズン(ロー/レギュラー/ハイ)、③搭乗区間(ゾーン)の3つの要素で決まります。
  • 1マイルの価値:前述の通り、使い方次第で1マイル=2円~15円以上にもなり、他のどの交換先よりも圧倒的にお得です。特に、航空券代金が高額になりがちな国際線のビジネスクラスやファーストクラスで利用した際に、その価値は最大化されます。通常なら数百万円するファーストクラスでの世界一周旅行も、数十万マイルで実現できる可能性があります。
  • 予約のコツと注意点
    • 予約は早めに:人気路線や繁忙期の特典航空券は競争率が非常に高く、予約開始と同時に埋まってしまうこともあります。ANA国際線特典航空券は搭乗日の355日前の午前9時(日本時間)から予約できるため、計画的に狙う必要があります。
    • 燃油サーチャージ等は別途必要:特典航空券は運賃部分が無料になりますが、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)や各国の空港税などは別途現金またはクレジットカードで支払う必要があります。
    • 空席照会をこまめに:一度満席と表示されても、キャンセルが出たり、座席が追加されたりすることがあります。諦めずにこまめに空席照会をすることが、希望の便を確保するコツです。

夢の旅行を実現するため、まずはANAのサイトで希望の路線の必要マイル数を調べ、目標を設定することから始めましょう。

ANA SKY コインに交換する

特典航空券に次いで人気があり、非常に使い勝手の良い交換先が「ANA SKY コイン」です。

  • 概要:ANA SKY コインは、10コイン=10円単位でANAの航空券や旅行商品(ツアーなど)の支払いに利用できる電子クーポンです。
  • 交換レート:交換レートは、ANAマイレージクラブの会員ステイタスや保有するANAカードの種類、一度に交換するマイル数によって「1マイル=1.0~1.7コイン」の間で変動します。10,000マイル以上を交換する場合にレートが優遇される傾向にあります。

ANA SKY コインのメリット

  • 柔軟性の高さ:特典航空券のように空席の制限がなく、販売されている航空券であればいつでも購入できます。片道や複数人での購入にも利用可能です。
  • マイルが貯まる:SKYコインで購入した航空券でも、通常通りフライトマイルが積算されます。
  • 有効期限の延長:マイルの有効期限が迫っている場合、SKYコインに交換することで、コインの有効期限である12ヶ月後まで実質的に利用期間を延ばすことができます。
  • 支払いの補助:航空券代金の一部だけをSKYコインで支払い、残りをクレジットカードで支払うといった使い方も可能です。

特典航空券が取れない時や、マイルを無駄にしたくない時の有力な選択肢です。1マイルの価値は特典航空券には及びませんが、その利便性は非常に高いと言えます。

座席のアップグレードに利用する

長距離のフライトをより快適に過ごしたい場合に魅力的なのが、「アップグレード特典」です。貯めたマイルを使って、座席のクラスを一つ上にアップグレードできます。

  • 対象:エコノミークラスからプレミアムエコノミーへ、プレミアムエコノミーからビジネスクラスへ、といったアップグレードが可能です。
  • 必要マイル数:路線によって異なり、例えば日本-ハワイ間ならエコノミーからビジネスへのアップグレードに片道20,000マイル程度が必要です。
  • 注意点
    • 対象となる航空券に制限がある:アップグレード特典を利用するには、特定の予約クラスで購入された航空券である必要があります。格安のパッケージツアーや割引運賃の多くは対象外となるため、予約時にアップグレード可能な運賃かを確認することが必須です。
    • 空席待ちになることも多い:アップグレードは空席がある場合にのみ適用されます。申し込み時点では「空席待ち」となり、出発当日まで確定しないケースも少なくありません。

少ないマイルでワンランク上の空の旅を体験できる可能性がある魅力的な使い方ですが、確実性に欠けるというデメリットも理解しておく必要があります。

提携サービスのポイントや商品に交換する

マイルの使い道は旅行関連だけではありません。提携する他社のポイントや電子マネー、特定の商品に交換することも可能です。

  • 提携ポイントへの交換:楽天ポイント、Tポイント、nanacoポイント、スターバックスカードへのチャージなど、多様な交換先があります。交換レートは多くの場合「10,000マイル → 10,000円相当のポイント」で、1マイルの価値は1円となります。
  • ANAセレクション(商品交換):ANAが厳選したグルメ、家電、ファッションアイテムなどと交換できます。

これらの使い方の注意点
これらの交換方法は、日常生活で使いやすいというメリットはありますが、1マイルあたりの価値で考えると最も非効率になるケースがほとんどです。ANAセレクションの商品に至っては、1マイル=0.5円程度の価値にしかならないことも珍しくありません。

したがって、これらの交換は、マイルの有効期限が目前に迫っており、他に使い道がない場合の最終手段と位置づけるのが賢明です。せっかく貯めたマイルですから、できるだけ価値の高い特典航空券やANA SKY コインへの交換を目指しましょう。

ANAマイルを貯める上での注意点

ANAマイルを効率的に貯め、賢く使うためには、いくつか注意すべき点があります。これらを知らないと、せっかくの努力が水の泡になってしまう可能性も。最後に、マイル活動を成功させるための重要な注意点を2つ確認しておきましょう。

マイルの有効期限が切れないように管理する

これまでにも触れてきましたが、最も重要な注意点が「有効期限の管理」です。ANAマイルの有効期限は「積算された月から数えて36カ月後の月末まで」です。この「3年間」という期間を忘れてしまうと、マイルは容赦なく失効します。

具体的な管理方法と対策

  1. 定期的な確認の習慣化:最低でも月に一度はANAの公式ウェブサイトや「ANAマイレージクラブ」アプリにログインし、マイル残高と有効期限別のマイル数を確認する習慣をつけましょう。「今月末に失効するマイルはないか」「来月失効するマイルはないか」をチェックするだけでも十分です。
  2. 目標設定と計画:漠然と貯めるのではなく、「2年後にハワイ旅行に行くために70,000マイル貯める」といった具体的な目標を設定することが、モチベーション維持と計画的なマイル管理に繋がります。目標があれば、有効期限を意識しながらマイルを貯め、使うことができます。
  3. 失効間近のマイルの救済:もし有効期限が迫ってしまった場合は、慌てずに最善策を考えましょう。
    • 特典航空券に交換:もし交換可能なマイル数が貯まっていれば、これが最善の策です。
    • ANA SKY コインに交換:特典航空券に届かなくても、1マイルからANA SKY コインに交換できます。交換すれば有効期限が1年間延長されるため、最も手軽で確実な失効防止策です。
    • 提携ポイントに交換:最終手段として、10,000マイル単位で楽天ポイントなどに交換し、日常生活で消費するのも一つの手です。

マイルは現金と同じ価値を持つ資産です。その資産を失わないよう、しっかりとした管理体制を築くことが、賢いマイラーになるための第一歩です。

マイルが加算されるタイミングを確認する

「クレジットカードで大きな買い物をしたのに、すぐにマイルが反映されない」「ポイントサイトの案件をクリアしたのに、マイルが増えない」といった経験は、初心者が不安に陥りがちなポイントです。

マイルは、利用したサービスから即時に加算されるわけではなく、加算されるまでにはサービスごとに異なるタイムラグが存在します

マイル獲得方法 加算タイミングの目安
フライトマイル 搭乗後、2~3日後
ANAカード決済(ポイント移行) カード会社のポイント確定後、移行手続きをしてから数日~2ヶ月程度
ANAカードマイルプラス ショップでの利用後、約1~2ヶ月後
ANAマイレージモール 商品購入・サービス利用後、約2~3ヶ月後
ポイントサイトからの交換 交換申請後、数日~2ヶ月以上(経由するルートによる)

このように、特にショッピングやポイントサイト経由で獲得したマイルは、実際に口座に反映されるまで数ヶ月かかることも珍しくありません。

なぜタイミングの確認が重要なのか?
それは、特典航空券の予約など、マイルを使いたい「ここぞ」というタイミングに間に合わせるためです。例えば、「3ヶ月後に特典航空券を予約したいから、ポイントサイトで50,000ポイントをマイルに交換しよう」と考えても、交換ルートによっては3ヶ月以上かかってしまい、予約のチャンスを逃す可能性があります。

マイルを利用する計画がある場合は、必ず逆算して、余裕を持ったスケジュールでマイル獲得のアクションを起こすことが重要です。また、万が一、規定の期間を過ぎてもマイルが加算されない場合は、「マイルの事後登録」手続きが必要になります。フライトの搭乗券や、買い物のレシート・領収書は、マイルが加算されるまで大切に保管しておきましょう。

まとめ:自分に合った方法でANAマイルを貯めよう

この記事では、ANAマイルの基本的な知識から、初心者でも実践できる12の貯め方、マイルを加速させるクレジットカード戦略、そして貯めたマイルの価値ある使い方まで、幅広く解説してきました。

ANAマイルを効率的に貯める方法は、決して一つではありません。重要なポイントを改めて整理しましょう。

  • マイルの価値を理解する:1マイルの価値は使い方次第で大きく変わります。最も価値が高まるのは「特典航空券」への交換であり、これを目標に据えることがマイル活動の基本です。
  • マイル獲得の3本柱を意識する:ANAマイルを大量に貯めるための基本戦略は、「①フライト」「②クレジットカード決済」「③ポイントサイト活用」の3つです。これらをバランス良く組み合わせることが、成功への近道です。
  • 日常生活のすべてがチャンス:飛行機に乗らなくても、ネットショッピング、外食、ふるさと納税、公共料金の支払いなど、日々の暮らしの中にマイルを貯める機会は無数にあります。
  • 最適なカードを選ぶ:自分の年間決済額やライフスタイルに合ったANAカードを選ぶことは、マイル戦略の根幹をなす重要な決断です。

これからマイルを貯め始める方は、まず年会費の安いANAカード(一般カード)を一枚作り、普段の支払いをそこに集約することからスタートしてみましょう。それだけでも、1年後には数千から数万マイルが貯まっているはずです。

そして、マイルを貯めることに慣れてきたら、ポイントサイトの活用や、より還元率の高いゴールドカードへの切り替えを検討することで、獲得マイルを飛躍的に増やすことができます。

最も大切なのは、自分自身のライフスタイルに合った方法を見つけ、無理なく、そして楽しみながら継続することです。この記事が、あなたのANAマイル生活をスタートさせる一助となれば幸いです。さあ、あなただけのマイル獲得戦略を立て、次の旅行の夢を、マイルで叶えてみませんか。