高速道路の利用を、よりスムーズで経済的にするETCカード。近年では年会費無料で利用できるカードが数多く登場し、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ETCカードの基本的な仕組みから、年会費無料で利用できるおすすめのクレジットカード付帯ETCカード25選、そして自身のライフスタイルに合ったカードの選び方まで、網羅的に詳しく解説します。ETCカードの導入を検討している方はもちろん、現在利用中のカードからの乗り換えを考えている方にも役立つ情報が満載です。
目次
ETCカードとは
ETCカードは、高速道路や有料道路の料金所をノンストップで通過するための専用ICカードです。正式名称を「Electronic Toll Collection System(電子料金収受システム)」と言い、この頭文字を取って「ETC」と呼ばれています。
このシステムを利用することで、料金所で一時停止して現金やクレジットカードで支払いをする手間が省け、キャッシュレスかつスムーズな通行が実現します。多くのETCカードはクレジットカードの追加カードとして発行され、通行料金は後日、紐づけられたクレジットカードの利用代金と一緒に請求される仕組みです。
日常的に車を運転する方はもちろん、旅行や帰省などで年に数回高速道路を利用する方にとっても、ETCカードは多くのメリットをもたらす便利なツールと言えるでしょう。
ETCカードの仕組み
ETCカードがどのようにして料金所での自動支払いを実現しているのか、その仕組みは「ETCカード」「ETC車載器」「料金所のアンテナ」の3つの要素が連携することで成り立っています。
- ETC車載器にETCカードを挿入:
まず、利用者は事前に車に取り付けた「ETC車載器」に、自身のETCカードを挿入します。この車載器には、車両のナンバーや車種などの情報が暗号化されて登録されています(この登録作業を「セットアップ」と呼びます)。 - 料金所アンテナとの無線通信:
車が料金所のETCレーンに進入すると、道路脇に設置されたアンテナと車載器が無線通信を開始します。この通信を通じて、車載器に登録された車両情報やETCカードの情報が料金所システムに送信されます。 - 料金計算と記録:
入口の料金所で通過情報が記録され、出口の料金所で再度通信を行うことで、走行した区間が特定され、通行料金が自動的に計算されます。計算された料金情報は、ETCカードを通じてカード会社に送信されます。 - 後日、クレジットカードで支払い:
カード会社に送られた通行料金データは、その月のクレジットカード利用分として計上されます。利用者は、後日他のショッピング利用分と合算された形で、登録した銀行口座から通行料金を引き落とされることになります。
このように、一連のプロセスが瞬時に行われることで、利用者は料金所で停止することなくスムーズに通行できるのです。この仕組みの根幹には、安全で確実な無線通信技術と、クレジットカード会社との連携による強固な決済システムが存在します。ETCカードは単なる通行券ではなく、車載器と料金所システムを介して後払い決済を行うための「鍵」のような役割を担っていると理解すると分かりやすいでしょう。
ETCカードを持つメリット
ETCカードを導入することには、単に料金所をスムーズに通過できるだけでなく、経済的なメリットや利便性の向上など、多くの利点があります。ここでは、ETCカードを持つことで得られる主な5つのメリットについて、具体的に解説します。
料金所をスムーズに通過できる
ETCカード最大のメリットは、料金所の通過が圧倒的にスムーズになることです。
現金払いの場合、料金所に近づいたら減速・停車し、窓を開け、通行券を渡したり現金を支払ったり、お釣りや領収書を受け取ったりといった一連の動作が必要です。特に、雨の日や寒い日、あるいは小さな子供が同乗している場合など、窓の開閉自体が煩わしく感じることもあるでしょう。
一方、ETCを利用すれば、ETCレーンを時速20km以下で徐行するだけでゲートが開き、停止することなく通過できます。財布から現金を探したり、お釣りを受け取ったりする手間が一切なくなるため、運転に集中でき、ストレスが大幅に軽減されます。
このスムーズな通過は、個人の利便性向上だけでなく、社会的な渋滞緩和にも大きく貢献しています。ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの交通集中期には、料金所を先頭にした渋滞が頻繁に発生します。ETCの普及により、料金所での車両処理能力が向上し、渋滞の発生や悪化を抑制する効果が期待されています。国土交通省のデータによると、ETCの整備により料金所付近の渋滞は大幅に減少しており、その効果は明らかです(参照:国土交通省ウェブサイト)。
お得なETC割引が適用される
ETCカードを利用するもう一つの大きな経済的メリットが、ETC利用者限定の割引制度が適用されることです。現金払いでは利用できないこれらの割引を活用することで、高速道路料金を大幅に節約できます。
主なETC割引制度には、以下のようなものがあります。
- 深夜割引: 毎日0時から4時までの間に高速道路を利用すると、通行料金が30%割引になります。車種の制限なく適用されるため、夜間の長距離移動や物流トラックなど、プロのドライバーにも広く活用されています。
- 休日割引: 土曜日、日曜日、祝日に地方部の高速道路を利用する際、普通車・軽自動車等の通行料金が30%割引になります。週末のレジャーや旅行で高速道路を利用する方にとっては非常に魅力的な割引です。ただし、東京・大阪近郊など一部対象外の区間があるため注意が必要です。
- 平日朝夕割引: 平日の朝(6時~9時)と夕方(17時~20時)に地方部の高速道路を利用する際に適用される割引です。この割引を受けるには、事前に「ETCマイレージサービス」への登録が必要ですが、1ヶ月の利用回数に応じて通行料金が最大50%分も還元されるため、通勤などで日常的に高速道路を利用する方には必須の割引制度と言えるでしょう。
これらの割引は自動的に適用されるため(平日朝夕割引は要事前登録)、特別な手続きは不要です。利用する時間帯や曜日を意識するだけで、知らず知らずのうちに通行料金を節約できるのが、ETCカードの大きな魅力です。
クレジットカードのポイントが貯まる
多くのETCカードはクレジットカードの追加カード(付帯カード)として発行されます。そのため、ETC利用料金の支払いでも、ショッピング利用時と同様にクレジットカードのポイントが付与されます。
例えば、ポイント還元率1.0%のクレジットカードで月に1万円のETC利用があった場合、年間で1,200円相当のポイントが貯まる計算になります。現金で支払っていては何も得られませんが、ETCカードを通じて支払うだけで、自動的にポイントが蓄積されていくのです。
特に、高速道路の利用頻度が高い方や、長距離移動が多い方ほど、このメリットは大きくなります。貯まったポイントは、クレジットカード会社の提供するサービスに応じて、商品との交換、マイルへの移行、現金キャッシュバック、カード利用代金への充当など、様々な形で活用できます。
年会費無料でポイント還元率の高いクレジットカードを選べば、初期費用や維持費をかけずに、高速道路の利用料金分で効率的にポイントを貯めることが可能です。これは、現金払いや他の決済方法にはない、クレジットカード付帯型ETCカードならではの大きな利点です。
ETCマイレージサービスでポイントが貯まる
ETCカードのメリットとして見逃せないのが、「ETCマイレージサービス」の存在です。これは、NEXCO東日本/中日本/西日本などが共同で運営するポイントサービスで、クレジットカードのポイントとは別に、ETC利用料金に応じたポイントが貯まります。
つまり、ETCカードを利用することで、「クレジットカードのポイント」と「ETCマイレージポイント」の二重取りが可能になるのです。
ETCマイレージサービスへの登録は無料で、インターネットから簡単に行えます。登録後は、ETCカードを使って対象の道路を通行するたびに、支払い額に応じてポイントが付与されます。例えば、NEXCO3社や宮城県道路公社の道路では、10円につき1ポイントが付与されます。
貯まったポイントは、規定のポイント数に達すると「無料通行分」として還元され、次回の高速道路料金の支払いに自動的に充当されます。ポイントの有効期限はポイントが付与された年度の翌年度末までですが、定期的に高速道路を利用する方であれば、無理なくポイントを貯めて還元を受けられるでしょう。
このサービスは、前述の「平日朝夕割引」を受けるための必須条件にもなっています。無料で登録でき、ポイントの二重取りやお得な割引の適用が受けられるため、ETCカードを作成したら必ず登録しておきたいサービスです。
スマートIC(インターチェンジ)を利用できる
スマートIC(インターチェンジ)を利用できることも、ETCカードを持つ大きなメリットの一つです。
スマートICとは、高速道路の本線やサービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)などに設置された、ETC専用の簡易的なインターチェンジのことです。従来のICよりも低コストで設置できるため、近年その数を増やしています。
スマートICが利用できると、目的地や出発地の最寄りにICがない場合でも、SAやPAから一般道へ乗り降りが可能になります。これにより、高速道路へのアクセス性が向上し、目的地までの所要時間を短縮したり、一度高速を降りて近くの施設に立ち寄ったりといった、柔軟なドライブ計画が可能になります。
例えば、旅先の観光地がICから離れている場合でも、近くにスマートICがあれば、一般道を走る距離を短縮できます。また、通勤ルートの途中にスマートICがあれば、高速道路を有効活用して通勤時間を短縮できる可能性もあります。
このスマートICはETC搭載車専用のため、現金払いの車は利用できません。ETCカードを持つことで、こうした便利なインフラを最大限に活用でき、ドライブの利便性と効率性をさらに高めることができます。
ETCカードのデメリット
多くのメリットがある一方で、ETCカードを利用するにはいくつかのデメリットや注意点も存在します。導入を検討する際には、これらの点も理解しておくことが重要です。
ETC車載器の購入やセットアップ費用がかかる
ETCカードを利用するためには、ETC車載器を車に取り付ける必要があり、その購入費用とセットアップ費用が初期コストとしてかかります。
ETC車載器本体の価格は、機能によって様々ですが、おおむね5,000円から20,000円程度が相場です。アンテナと本体が一体になったシンプルなタイプから、音声案内機能や利用履歴確認機能が付いた高機能なもの、カーナビと連動するものなど、種類は多岐にわたります。
さらに、車載器を車に取り付けるための工賃も必要です。自分で取り付けることも可能ですが、電源の確保など専門的な知識が必要なため、多くの場合はカー用品店や自動車ディーラー、整備工場などに依頼することになります。取り付け工賃の相場は、5,000円から10,000円程度です。
そして最も重要なのが「セットアップ」という作業です。これは、車載器に利用する車の車両情報(ナンバープレート、車種など)を暗号化して登録する作業で、これを行わないとETCシステムを正常に利用できません。セットアップは、国から認可を受けた「セットアップ店」でしか行うことができず、手数料として3,000円前後かかります。
これらの費用を合計すると、ETCを導入するための初期費用は、安くても13,000円程度、高機能な車載器を選ぶと30,000円以上かかることもあります。
ただし、カー用品店やカード会社が実施するキャンペーンを利用すれば、車載器本体が割引価格で購入できたり、セットアップ費用が無料になったりすることもあります。ETCの導入を検討する際は、こうしたキャンペーン情報をチェックすることで、初期費用を抑えることが可能です。一度設置してしまえば、車を買い替えない限りは継続して利用できるため、長期的な視点で見れば十分元が取れる投資と言えるでしょう。
基本的にクレジットカードの発行が必要になる
現在、個人向けに発行されているETCカードのほとんどは、クレジットカードの追加カード(付帯カード)という形式を取っています。そのため、ETCカードを手に入れるためには、まずその親カードとなるクレジットカードを発行する必要があります。
これは、クレジットカードの審査に通過しなければ、原則としてETCカードも作れないことを意味します。過去に金融トラブルがあったり、安定した収入がなかったりするなどの理由でクレジットカードの審査に通らない場合、ETCカードの入手が難しくなるというデメリットがあります。
また、すでにクレジットカードを持っている場合でも、そのカード会社が発行するETCカードの年会費や発行手数料が有料であるケースもあります。年会費無料のETCカードを希望する場合は、新たに年会費無料のクレジットカードに申し込む必要があるかもしれません。
このように、ETCカードの利用がクレジットカードの契約と密接に結びついている点は、人によってはデメリットと感じられるでしょう。
ただし、この問題にはいくつかの解決策があります。
一つは、審査に不安がある人でも比較的作りやすいとされる消費者金融系や流通系のクレジットカードに申し込むことです。
もう一つの解決策が、後述する「ETCパーソナルカード」です。これはクレジットカード契約を必要とせず、保証金(デポジット)を預けることで発行できるETC専用カードです。年会費はかかりますが、クレジットカードを持てない、あるいは持ちたくないという方にとっては有効な選択肢となります。
したがって、「クレジットカードの発行が必須」というデメリットは、ETCカードを手に入れる上で一つのハードルではありますが、代替手段が存在するため、完全に利用を諦める必要はありません。
年会費無料のおすすめETCカード25選
ここでは、年会費・発行手数料が無料、または特定の条件を満たすことで無料になる、おすすめのETCカードを25種類厳選して紹介します。ポイント還元率や付帯特典などを比較し、ご自身のライフスタイルに最適な一枚を見つけてください。
(注:以下の情報は2024年6月時点のものです。最新の情報は各カード会社の公式サイトでご確認ください。)
カード名 | クレジットカード年会費 | ETCカード年会費 | ETCカード発行手数料 | ポイント還元率(基本) | 主な特徴 |
---|---|---|---|---|---|
JCBカード W | 永年無料 | 永年無料 | 無料 | 1.0%~5.5% | 39歳以下限定、Amazon・セブン-イレブンで高還元 |
三井住友カード(NL) | 永年無料 | 年1回以上の利用で無料 | 無料 | 0.5%~7.0% | 対象のコンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済で高還元 |
楽天カード | 永年無料 | 楽天PointClubの会員ランクに応じて無料・有料 | 無料 | 1.0% | 楽天市場で高還元、ポイントが貯まりやすい |
イオンカードセレクト | 永年無料 | 永年無料 | 無料 | 0.5% | イオングループでポイント2倍、各種割引特典 |
① JCBカード W
JCBカード Wは、申し込み対象が18歳から39歳までに限定されている、若年層向けのハイスペックなクレジットカードです。最大の魅力は、年会費が永年無料でありながら、ポイント還元率が常にJCB一般カードの2倍(1.0%)である点です。ETC利用料金でもこの1.0%の還元率が適用されるため、効率的にポイントを貯められます。
さらに、Amazon.co.jpやセブン-イレブン、スターバックスといったパートナー店で利用すると、ポイント還元率が最大で10倍(5.5%相当)にまでアップします。貯まったOki Dokiポイントは、JCBプレモカードへのチャージやANAマイル、他社ポイントへの交換など、多彩な使い道があります。
ETCカードも年会費・発行手数料ともに無料で発行できるため、特に39歳以下で、ポイント還元率を重視する方には最適な一枚です。
② 三井住友カード(NL)
三井住友カード(NL)は、券面にカード番号が印字されていないナンバーレスデザインが特徴の、セキュリティ性の高いクレジットカードです。年会費は永年無料。ETCカードは年会費550円(税込)ですが、年に1回でもETC利用があれば翌年度の年会費が無料になるため、定期的に高速道路を利用する方であれば実質無料で持ち続けられます。
このカードの特筆すべき点は、対象のコンビニ・飲食店(セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなど)で、スマホのタッチ決済(Visaのタッチ決済・Mastercard®コンタクトレス)を利用すると、最大7%のポイント還元(※)が受けられることです。普段の買い物で効率よくポイントを貯め、ETC利用でもポイントを貯めたい方におすすめです。
(※)スマホのVisaのタッチ決済・Mastercard®コンタクトレスで支払うことが条件です。iD、カードの差し込み、磁気取引は対象外です。商業施設内にある店舗など、一部ポイント加算対象とならない店舗および指定のポイント還元率にならない場合があります。一定金額(原則1万円)を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿しお支払いただく場合がございます。その場合の決済分は、タッチ決済還元の対象となりませんので、ご了承ください。上記、タッチ決済とならない金額の上限は、ご利用される店舗によって異なる場合がございます。
③ エポスカード
エポスカードは、マルイグループが発行する入会金・年会費永年無料のクレジットカードです。ETCカードも年会費・発行手数料ともに完全無料で発行できます。全国10,000店舗以上の優待施設で割引や特典を受けられるのが大きな魅力で、カラオケ、飲食店、レジャー施設などをよく利用する方には特におすすめです。
ポイント還元率は基本0.5%と標準的ですが、年間50万円以上利用すると、よりポイントが貯まりやすい「エポスゴールドカード」へのインビテーションが届くこともあります。また、カードの発行スピードが非常に速く、マルイの店舗内にあるエポスカードセンターで申し込めば、最短即日でカードを受け取れる場合もあります。急いでETCカードが必要になった際に頼りになる一枚です。
④ 楽天カード
楽天カードは、言わずと知れた高還元率カードの代表格です。年会費永年無料で、基本のポイント還元率は1.0%。楽天市場での利用ならポイントが最大3倍になるなど、楽天関連サービスを使えば使うほどお得になります。
ETCカードの年会費は通常550円(税込)ですが、楽天PointClubの会員ランクが「プラチナ会員」または「ダイヤモンド会員」の方は無料になります。また、楽天ゴールドカードや楽天プレミアムカード会員も無料です。楽天市場を頻繁に利用し、会員ランクを維持できる方にとっては、実質無料でETCカードを保有できます。貯まった楽天ポイントは1ポイント=1円として様々な場所で使えるため、利便性も非常に高いです。
⑤ dカード
dカードは、NTTドコモが発行するクレジットカードですが、ドコモユーザーでなくても誰でも無料で作成できます。年会費は永年無料、基本のポイント還元率は1.0%と高水準です。
ETCカードは初年度の年会費が無料で、2年目以降は前年に一度でもETC利用があれば無料になります。つまり、年に一度でも高速道路に乗れば、実質永年無料で利用可能です。dカード特約店(マツモトキヨシ、ENEOSなど)やdポイント加盟店で利用すると、ポイントがさらに貯まりやすくなります。ローソンでは最大5%おトクになる特典もあり、日常の買い物とETC利用の両方でdポイントをザクザク貯めたい方におすすめです。
⑥ イオンカードセレクト
イオンカードセレクトは、「クレジットカード」「電子マネーWAON」「イオン銀行キャッシュカード」の3つの機能が一体になった便利なカードです。年会費・ETCカード年会費・発行手数料のすべてが無料です。
イオングループの対象店舗での買い物で、ポイント還元率が常に2倍(1.0%)になるほか、「お客さま感謝デー」には買い物代金が5%OFFになるなど、イオングループを頻繁に利用する方にとっては必須級のカードと言えます。イオン銀行を給与振込口座に指定したり、公共料金の支払いに設定したりすると、普通預金金利が優遇される特典もあります。普段の生活圏にイオンがある方には、大きなメリットがある一枚です。
⑦ PayPayカード
PayPayカードは、キャッシュレス決済サービス「PayPay」との連携に優れたクレジットカードです。年会費は永年無料。基本のポイント還元率は1.0%で、PayPay残高へのチャージが可能な唯一のクレジットカードです(※一部例外を除く)。
ETCカードは年会費550円(税込)が必要ですが、貯まるPayPayポイントは使い道が豊富で、PayPayでの支払いやポイント運用など、幅広く活用できます。PayPayを日常的に利用している方で、ポイントを一つにまとめたい場合に検討の価値があるカードです。
⑧ リクルートカード
リクルートカードは、基本のポイント還元率が1.2%と、年会費無料カードの中では最高水準を誇ることで人気です。ETCカードも年会費・発行手数料無料で発行できます(※JCBブランドの場合。Visa/Mastercardブランドは新規発行手数料1,100円が必要)。
ホットペッパーグルメやホットペッパービューティー、じゃらんnetといったリクルートのサービスを利用すると、さらにポイントが貯まります。貯まったリクルートポイントは、Pontaポイントやdポイントに交換できるため、使い道に困ることもありません。とにかくポイント還元率を最優先したいという方には、リクルートカード(JCB)が最もおすすめです。
⑨ Orico Card THE POINT
Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)は、信販会社のオリコが発行するポイント高還元カードです。年会費は永年無料、ETCカードも年会費・発行手数料ともに無料です。
入会後6ヶ月間はポイント還元率が2.0%にアップする特典があり、短期間に大きな買い物やETC利用の予定がある方には特にお得です。通常時の還元率も1.0%と高水準で、オリコモールを経由してネットショッピングをすると、さらにポイントが上乗せされます。貯まったオリコポイントは、Amazonギフト券やTポイント、ANAマイルなどにリアルタイムで交換できる利便性も魅力です。
⑩ セゾンカードインターナショナル
セゾンカードインターナショナルは、「最短即日発行」に対応していることで知られるクレジットカードです。全国のセゾンカウンターで申し込めば、その日のうちにカードを受け取ることが可能です。
年会費は永年無料、ETCカードも年会費・発行手数料無料で即日発行に対応しています。急な出張や旅行で「明日までにETCカードが欲しい」といった緊急のニーズに応えられる数少ないカードです。ポイントは有効期限のない「永久不滅ポイント」なので、失効を気にせず自分のペースで貯められるのも嬉しい点です。
⑪ apollostation card
apollostation cardは、出光興産が発行するガソリンカードです。年会費は永年無料、ETCカードも年会費・発行手数料無料で発行できます。
全国のapollostation(出光・シェル・apollostationのSS)で給油する際に、このカードで支払うと、いつでもガソリン・軽油が2円/L引き、灯油が1円/L引きになります。さらに、入会後1ヶ月間はガソリン・軽油が5円/L引き、灯油が3円/L引きになる特典も。車での移動が多く、給油コストを抑えたいドライバーにとって、非常にメリットの大きいカードです。
⑫ VIASOカード
VIASO(ビアソ)カードは、三菱UFJニコスが発行するユニークな特徴を持つカードです。年会費は永年無料で、ETCカードも発行手数料1,100円(税込)がかかりますが、年会費は無料です。
最大の特徴は、貯まったポイントが手続き不要で年に1回自動的に現金でキャッシュバックされる「オートキャッシュバック機能」です。ポイント交換の手間が面倒だと感じる方には最適です。ETC利用料金や携帯電話料金、プロバイダー料金の支払いはポイントが2倍になるため、これらの固定費をまとめると効率的にキャッシュバックを受けられます。
⑬ Tカード Prime
Tカード Primeは、ジャックスが発行する、Tポイントを効率的に貯められるクレジットカードです。初年度の年会費は無料で、次年度以降も年に1回以上のカード利用があれば無料になるため、実質永年無料で利用できます。ETCカードも年会費・発行手数料は無料です。
このカードの魅力は、毎週日曜日に利用するとポイント還元率が1.5%にアップすることです。日曜日にまとめ買いや給油をする習慣がある方には非常にお得です。貯まったTポイントは、全国のTポイント提携先で1ポイント=1円として利用できます。
⑭ ローソンPontaプラス
ローソンPontaプラスは、ローソンを頻繁に利用する方におすすめのカードです。年会費は永年無料で、ETCカードも年会費・発行手数料は無料です。
ローソンでの利用でいつでもポイント還元率が1.0%になり、毎月10日・20日は最大6.0%相当のPontaポイントが還元されるという強力な特典があります。貯まったPontaポイントはローソンでのお試し引換券に交換すると、1ポイントの価値が2~3円相当になることもあり、非常にお得です。
⑮ ENEOSカード S
ENEOSカード Sは、ガソリンスタンドのENEOSが発行するスタンダードなカードです。年会費は初年度無料で、次年度以降は1,375円(税込)ですが、年に1回でもカード利用があれば無料になります。ETCカードも年会費は無料です。
全国のENEOSサービスステーションで、ガソリン・軽油がいつでも2円/L引き、灯油が1円/L引きになります。さらに、カーコンビニ倶楽部での修理代が5%OFFになったり、オリックスレンタカーが10%OFFになったりする特典も付帯。apollostation cardと並び、ドライバーに人気の高い一枚です。
⑯ シェル-Pontaクレジットカード
シェル-Pontaクレジットカードは、昭和シェル石油とPontaが提携したカードです。初年度年会費は無料で、次年度以降も年に1回、昭和シェルSS、出光SS、apollostation SSでの利用があれば無料になります。ETCカードの年会費は無料です。
Ponta提携のシェルSSで給油すると、1Lにつき2ポイントのPontaポイントが貯まります(クレジットポイントとは別)。シェル光熱費支払プランなど、生活インフラと組み合わせることでさらにポイントが貯まりやすくなります。
⑰ au PAY カード
au PAY カードは、auフィナンシャルサービスが発行するカードで、auユーザー以外でも申し込み可能です。年会費は永年無料(※au IDが必要)。ETCカードは新規発行手数料1,100円(税込)が必要ですが、年に1回以上のETC利用があれば翌年度の年会費は無料になります。
基本のポイント還元率は1.0%で、au PAY残高へのチャージとau PAYでの支払いを組み合わせる「チャージ&ペイ」を利用すると、合計で最大1.5%のPontaポイントが還元されます。通信と決済をauでまとめている方にはメリットの大きいカードです。
⑱ コスモ・ザ・カード・オーパス
コスモ・ザ・カード・オーパスは、コスモ石油とイオンフィナンシャルサービスが提携して発行するカードです。入会金・年会費は永年無料、ETCカードも完全無料で発行できます。
入会特典として、コスモ石油での燃料油が最大50Lまで10円/Lキャッシュバックされるキャンペーンが魅力です(※内容は時期により変動)。通常時も会員価格で給油できるため、近所にコスモ石油があるドライバーにおすすめです。イオンカードの特典(お客さま感謝デー5%OFFなど)も利用できます。
⑲ セブンカード・プラス
セブンカード・プラスは、セブン&アイ・ホールディングスが発行するカードです。年会費は永年無料、ETCカードも年会費・発行手数料無料で発行できます。
セブン-イレブン、イトーヨーカドー、ヨークマートといったセブン&アイグループの対象店で利用すると、いつでもポイントが2倍(1.0%)になります。電子マネーnanacoへのクレジットチャージでもポイントが貯まるため、nanacoをよく利用する方には必須のカードです。
⑳ ビックカメラSuicaカード
ビックカメラSuicaカードは、「ビックカメラ」「クレジットカード」「Suica」が一体になった便利なカードです。初年度年会費は無料で、次年度以降も年に1回以上のクレジット利用があれば無料になります。ETCカードも年会費524円(税込)がかかりますが、年に1度の利用で無料になるため、実質無料で利用可能です。
ビックカメラでの買い物で最大11.5%相当のポイントが還元されるほか、Suicaへのオートチャージ設定が可能で、チャージ金額に対して1.5%のJRE POINTが貯まるのが最大の魅力です。電車移動と車移動の両方を利用する首都圏在住の方に特におすすめです。
㉑ TS CUBIC CARD
TS CUBIC CARD(ティーエスキュービックカード)は、トヨタファイナンスが発行するクレジットカードです。年会費は1,375円(税込)ですが、ETCカードの年会費は無料です。
トヨタの販売店やENEOSで利用するとポイントが1.5倍になるほか、貯まったポイントを新車購入時や車検時に1ポイント=1.5円でキャッシュバックできるなど、トヨタ車オーナーにとって非常にメリットの大きい特典が豊富です。JAFのロードサービスに優待価格で入会できる特典もあります。
㉒ 三菱UFJカード
三菱UFJカードは、メガバンク系の安心感が魅力のスタンダードなカードです。初年度年会費は無料で、次年度以降も年に1回以上の利用で無料になります。ETCカードも年会費は無料ですが、新規発行時に手数料1,100円(税込)が必要です。
セブン-イレブンやローソンで利用するとポイントが最大5.5%相当還元される特典があります。また、利用金額に応じて基本ポイントがアップするグローバルPLUSなど、堅実にポイントを貯めたい方に向いています。
㉓ MileagePlusセゾンカード
MileagePlusセゾンカードは、ユナイテッド航空のマイル「マイレージプラス」を効率的に貯めたい方向けのカードです。年会費は1,650円(税込)ですが、ETCカードは年会費・発行手数料無料で発行できます。
最大の魅力は、ETC利用料金を含むショッピング利用1,000円ごとに5マイルが貯まる点です。年会費5,500円(税込)の「マイルアップメンバーズ」に登録すれば、1,000円ごとに15マイル(還元率1.5%)と、業界最高水準のマイル付与率になります。海外旅行が好きな方や、マイルを貯めている方には見逃せない一枚です。
㉔ UCSカード
UCSカードは、ユニー・ファミリーマートホールディングス傘下のUCSが発行するカードで、アピタやピアゴといったスーパーでの利用に強みを持ちます。年会費は無料のものが多く、ETCカードも年会費・発行手数料無料です。
毎週日曜日はアピタで5%OFF、毎月9日・19日・29日はピアゴで5%OFFになるなど、特定日のお得な割引が魅力です。U-pointが貯まり、宇佐美直営のガソリンスタンドでガソリン・軽油・灯油が2円/L引きになる特典もあります。
㉕ G.Gイオンカード
G.Gイオンカードは、55歳以上の方限定で申し込めるイオンカードです。通常のイオンカードの特典に加え、G.G(グランド・ジェネレーション)世代向けの特典が追加されています。
年会費・ETCカードともに無料で、イオングループでの特典はもちろんのこと、毎月15日の「G.G感謝デー」には、55歳以上の方の買い物代金が5%OFFになります。55歳以上で、イオングループをよく利用する方にとっては、最もメリットの大きいカードと言えるでしょう。
自分に合った年会費無料ETCカードの選び方
数多くの年会費無料ETCカードの中から、自分にとって本当に最適な一枚を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえて比較検討することが重要です。ここでは、カード選びの際に特に注目すべき4つの基準を解説します。
年会費だけでなく発行手数料も無料か
「年会費無料」と謳われていても、カードによっては初回の「新規発行手数料」が別途必要になる場合があります。例えば、三菱UFJカードや一部ブランドのリクルートカードでは、1,100円(税込)の発行手数料がかかります。
一度きりの支払いとはいえ、完全にコストゼロでETCカードを持ちたいと考えている方にとっては重要なチェックポイントです。多くのカードは発行手数料も無料ですが、申し込み前には必ず公式サイトの規約を確認し、「年会費」と「発行手数料」の両方が無料である「完全無料」のカードか、あるいは発行手数料がかかるのかを把握しておきましょう。
また、「実質無料」という条件にも注意が必要です。「年に1回以上の利用で翌年度の年会費が無料」といった条件付きのカード(例:三井住友カード(NL)のETCカード、ENEOSカード Sなど)は、定期的に利用する方にとっては無料と同じですが、ペーパードライバーの方や利用頻度が極端に低い方は、気づかないうちに年会費が発生してしまう可能性があります。自分の利用スタイルに合わせて、条件なしの「永年無料」を選ぶか、条件付きの「実質無料」を選ぶかを判断しましょう。
費用タイプ | 特徴 | おすすめな人 |
---|---|---|
完全無料 | 年会費・発行手数料ともに一切かからない | コストを全くかけたくない人、利用頻度が低い人 |
発行手数料あり | 初回のみ発行手数料がかかるが、年会費は無料 | ポイント還元率など他の特典が魅力的な場合 |
実質無料(条件付き) | 「年1回利用」などの条件を満たせば年会費が無料になる | 定期的にカードやETCを利用する人 |
ポイント還元率の高さ
ETCカードの利用は、クレジットカードのショッピング利用と同様にポイント付与の対象となります。そのため、ポイント還元率の高さは、カード選びにおける非常に重要な要素です。
まず注目すべきは「基本還元率」です。これは、どこで利用しても適用される基本的な還元率のことで、年会費無料カードでは0.5%が標準、1.0%以上が高還元率とされています。例えば、リクルートカード(1.2%)やJCBカード W(1.0%)、楽天カード(1.0%)などは、ETC利用でも効率的にポイントを貯めることができます。
次に、「特定店舗での還元率アップ」も見逃せません。多くのカードは、提携する店舗やサービスで利用すると、ポイント還元率が大幅にアップする特典を用意しています。
- コンビニや飲食店をよく利用するなら: 三井住友カード(NL)
- 楽天市場でよく買い物をするなら: 楽天カード
- イオングループをよく利用するなら: イオンカードセレクト
- Amazonやセブン-イレブンをよく利用するなら: JCBカード W
このように、自分のライフスタイルを振り返り、普段よく利用するお店でポイント還元率が高くなるカードを選ぶことが、賢くポイントを貯めるための鍵となります。ETC利用時の還元率だけでなく、日常生活全般でどれだけお得になるかを総合的に判断しましょう。
発行スピードの速さ
「来週の旅行に間に合わせたい」「急な出張で今すぐETCカードが必要になった」など、ETCカードを急いで手に入れたい場面もあるでしょう。そうしたニーズに応えるのが、発行スピードの速いカードです。
クレジットカードの申し込みから発行までにかかる期間は、カード会社によって大きく異なります。一般的には、申し込みから自宅にカードが届くまで1~2週間程度かかるのが普通です。
しかし、一部のカード会社は「即日発行」に対応しています。これは、オンラインで申し込んだ後、指定の店舗カウンターでその日のうちにカードを受け取れるサービスです。
- セゾンカードインターナショナル: 全国の「セゾンカウンター」で即日受け取りが可能。ETCカードも同時に即日発行できます。
- エポスカード: 全国のマルイ店舗内にある「エポスカードセンター」で即日受け取りが可能。ETCカードも同時に申し込めます(ETCカードの受け取りは後日郵送)。
これらのカードは、緊急でETCカードが必要になった際の強力な味方となります。ただし、即日発行には運転免許証などの本人確認書類が必要であり、審査時間によっては当日に受け取れない場合もあります。急いでいる場合は、事前に必要書類や店舗の営業時間を確認しておくことが重要です。
ガソリン割引やロードサービスなどの付帯特典
ETCカードを利用する方は、当然ながら車を運転する機会が多いはずです。そこで注目したいのが、ドライバー向けの付帯特典です。
① ガソリン割引特典
ガソリン代は、車を維持する上での大きなコストの一つです。ガソリンスタンド系のクレジットカードには、給油料金が割引になる特典が付帯しています。
- apollostation card: 出光・シェルSSでいつでもガソリン2円/L引き
- ENEOSカード S: ENEOSでいつでもガソリン2円/L引き
- コスモ・ザ・カード・オーパス: コスモ石油で会員価格で給油可能
これらのカードを給油専用のサブカードとして持つのも賢い使い方です。自分の生活圏内によく利用するガソリンスタンドがあるかを確認し、対応するカードを選ぶことで、燃料費を効果的に節約できます。
② ロードサービス
万が一の車のトラブルに備えるロードサービスも、ドライバーにとっては心強い特典です。バッテリー上がりやパンク、キーの閉じ込みといった際に、専門スタッフが駆けつけてくれるサービスです。
一部のクレジットカードには、このロードサービスが無料で付帯していたり、優待価格で加入できたりする特典があります。例えば、TS CUBIC CARDはJAFのロードサービスに優待価格で入会できます。すでにJAFや自動車保険のロードサービスに加入している場合は不要かもしれませんが、備えがない方にとっては、カード選びの一つの基準となり得ます。
このように、ポイント還元率だけでなく、自分のカーライフをより豊かに、そして安心にしてくれる特典があるかどうかも、カード選びの重要な視点です。
ETCカードの種類と作り方
ETCカードを入手する方法は、主に3つの種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。
クレジットカードの追加カードとして発行する
最も一般的で、多くの個人ユーザーが利用する方法が、クレジットカードの追加カード(付帯カード)としてETCカードを発行する方法です。この記事で紹介した25選のカードは、すべてこのタイプに該当します。
【作り方】
- 新規でクレジットカードを申し込む場合:
希望するクレジットカードの公式サイトにアクセスし、申し込みフォームに必要事項を入力します。その際、「ETCカードを同時に申し込む」というチェックボックスがあるので、必ずチェックを入れます。クレジットカードの審査に通過すれば、後日クレジットカードとETCカードが別々に、または一緒に郵送されてきます。 - すでにクレジットカードを持っている場合:
すでに持っているクレジットカードに追加してETCカードを発行することも可能です。カード会社の会員専用ウェブサイトや、電話で申し込むことができます。この場合、新たな審査は不要なことが多く、比較的スムーズに発行されます。
【メリット】
- 年会費無料の選択肢が豊富: 多くのカード会社が年会費無料のETCカードを提供しています。
- ポイントが貯まる: ETC利用料金に応じて、クレジットカードのポイントが貯まります。
- 支払いが一本化できる: 通行料金がクレジットカードの利用代金と一緒に引き落とされるため、家計管理がしやすいです。
【デメリット】
- クレジットカードの審査が必要: 審査に通らないと発行できません。
- 発行までに時間がかかる場合がある: 申し込みから手元に届くまで1~2週間程度必要です。
ETCパーソナルカードを発行する
「クレジットカードを持ちたくない」「審査に通るか不安」という方向けの選択肢が、ETCパーソナルカード(パソカ)です。これは、NEXCO東日本/中日本/西日本、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社の6社が共同で発行する、ETC専用のカードです。
【作り方】
「ETCパーソナルカードWebサービス」または郵送で申込書を入手し、必要事項を記入して事務局に送付します。申し込み後、デポジット(保証金)の振込用紙が届くので、コンビニエンスストアなどで支払います。入金が確認されると、約2週間でカードが郵送されてきます。
【仕組みとデポジット】
ETCパーソナルカードは、クレジットカードのような信用(与信)ではなく、事前に預ける「デポジット(保証金)」を担保として利用します。デポジット額は、有料道路の月平均利用額を申告し、その4倍の金額(最低20,000円から)を預け入れる必要があります。例えば、月に5,000円利用する見込みなら、20,000円のデポジットが必要です。このデポジットは通行料金の支払いには使えず、あくまで解約時に返金される保証金です。通行料金は、別途登録した金融機関の口座から、1ヶ月単位で後日引き落とされます。
【メリット】
- クレジットカード審査が不要: 信用情報に関わらず、誰でも作ることが可能です。
- デポジットは解約時に返金される: カードを解約すれば、預けた保証金は全額戻ってきます。
【デメリット】
- 年会費がかかる: 1,257円(税込)の年会費が毎年必要です。
- デポジットが必要: 最低でも20,000円の初期費用がかかります。
- ポイントが貯まらない: クレジットカードではないため、ポイントは付与されません(ただし、ETCマイレージサービスのポイントは貯まります)。
ETCコーポレートカードを発行する(法人・個人事業主向け)
ETCコーポレートカードは、法人または個人事業主向けのETCカードです。主に運送業など、業務で頻繁に高速道路を利用する大口利用者を対象としています。NEXCO東日本/中日本/西日本が発行しており、車両を指定して発行されるため、カードに記載された車両以外では利用できません。
【作り方】
NEXCO各社のウェブサイトから申込書類を請求し、必要事項を記入して郵送します。申し込みには、法人登記簿謄本や事業証明書などが必要です。
【メリット】
- 大口・多頻度割引が適用される: 一般のETC割引とは別に、利用額に応じた非常に高い割引率(最大40%)の「大口・多頻度割引」が適用されます。
- 経費管理が容易: 利用明細が発行されるため、車両ごとの経費管理がしやすくなります。
【デメリット】
- 個人での利用はできない: 対象は法人・個人事業主のみです。
- 発行手数料・年会費がかかる: カード1枚ごとに取扱手数料や年会費がかかります。
- 車両限定: 発行時に登録した車両でしか利用できないため、汎用性はありません。
ETCカード申し込みから利用開始までの4ステップ
初めてETCカードを利用する方のために、申し込みから実際に高速道路で利用を開始するまでの流れを、4つの簡単なステップに分けて解説します。
① 申し込みたいETCカードを選ぶ
まずは、自分のライフスタイルに合ったETCカードを選びます。この記事の「自分に合った年会費無料ETCカードの選び方」や「おすすめ25選」を参考に、以下の点を考慮して候補を絞り込みましょう。
- コスト: 年会費や発行手数料は無料か?
- ポイント還元率: 基本還元率は高いか?よく利用する店で還元率がアップするか?
- 付帯特典: ガソリン割引やロードサービスなど、自分に必要な特典は付いているか?
- 発行スピード: 急いでいる場合は、即日発行に対応しているか?
候補が決まったら、そのカードを発行しているクレジットカード会社の公式サイトを確認し、最終的な申し込みの意思を固めます。
② カード会社の公式サイトから申し込む
申し込むカードが決まったら、そのクレジットカード会社の公式サイトにアクセスし、オンラインで申し込み手続きを行います。一般的な流れは以下の通りです。
- 申し込みフォームへの入力: 氏名、住所、生年月日、勤務先情報、年収などの個人情報を入力します。この際、「ETCカードを同時に申し込む」の項目にチェックを入れるのを忘れないようにしましょう。
- 支払い口座の設定: 通行料金やカード利用代金の引き落とし先となる銀行口座を設定します。オンラインで設定できる金融機関も増えており、手続きが簡素化されています。
- 本人確認書類の提出: 運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を、スマートフォンのカメラで撮影してアップロードします。
入力内容に不備がなければ、申し込みは完了です。その後、カード会社による審査が行われ、通常1~2週間で審査結果がメールなどで通知されます。無事に審査を通過すれば、カードが自宅に郵送されてきます。
③ ETC車載器を準備・セットアップする
ETCカードが手元に届くのを待つ間に、車に搭載する「ETC車載器」の準備を進めましょう。
- ETC車載器の購入:
カー用品店(オートバックス、イエローハットなど)、自動車ディーラー、オンラインショップなどで購入できます。価格や機能は様々なので、予算や好みに合わせて選びましょう。 - 取り付け:
購入した店舗でそのまま取り付けてもらうのが一般的です。自分で取り付けることも可能ですが、電源の接続など専門知識が必要なため、自信がない場合はプロに任せるのが安心です。 - セットアップ:
セットアップは、ETCシステムを利用するために必須の作業です。これは、車載器にあなたの車の情報(ナンバープレート情報や車種など)を暗号化して登録する手続きで、国から認可を受けた「セットアップ店」でしか行えません。多くのカー用品店やディーラーはセットアップ店になっています。セットアップには「車検証」が必ず必要なので、忘れずに持参しましょう。
車載器の準備とセットアップが完了すれば、物理的な準備は万端です。
④ 高速道路で利用を開始する
ETCカードと、セットアップ済みのETC車載器が揃ったら、いよいよ高速道路で利用を開始できます。
- ETCカードを挿入する:
車のエンジンをかける前に、ETCカードを車載器に正しい向きで、カチッと音がするまでしっかりと挿入します。向きを間違えると正常に認識されません。 - 車載器の動作確認:
エンジンをかけると、多くの車載器は「ETCカードが挿入されました」といった音声案内や、ランプの点灯で正常にカードを認識したことを知らせてくれます。「カードが確認できません」などのエラーメッセージが出た場合は、一度カードを抜き、再度正しく挿し直してください。 - ETCレーンを通過する:
料金所では「ETC専用」または「ETC/一般」と表示されたレーンに進みます。レーンの手前で時速20km以下に十分に減速し、前方の車との車間距離を保ちながらゆっくりと進入します。正常に通信が行われると、前方のバーが上がり、通過できます。
これでETCデビューは完了です。安全運転を心がけ、快適なドライブを楽しみましょう。
知っておくと便利なETC関連サービス
ETCカードをより便利に、そしてお得に活用するために、ぜひ知っておきたい2つの公式サービスがあります。どちらも無料で利用できるので、ETCカードを作成したらすぐに登録することをおすすめします。
ETC利用照会サービス
「ETC利用照会サービス」は、過去のETC利用履歴をオンラインで確認できるサービスです。NEXCO東日本/中日本/西日本などが共同で運営しており、登録は無料です。
【主な機能とメリット】
- 利用明細の確認: いつ、どの区間を、いくらで利用したかという詳細な履歴を、最大過去15ヶ月分まで遡って確認できます。クレジットカードの明細には「ETC利用」としか記載されないことが多いですが、このサービスを使えば詳細な内訳がわかります。
- 利用証明書の発行: 確認した利用履歴は、PDF形式の「利用証明書」として発行・印刷できます。これは、会社の経費精算や確定申告の際の証明書類として利用できるため、ビジネスで高速道路を利用する方には特に便利な機能です。
- 家計管理の効率化: 家族旅行や帰省などでかかった高速道路料金を正確に把握できるため、家計簿をつける際にも役立ちます。
登録には、ETCカード番号、メールアドレス、過去の利用年月日、車両番号などが必要です。事前に一度ETCを利用してから登録するとスムーズです。セキュリティ対策として、登録完了後に事務局から郵送される仮パスワードで本登録を行う仕組みになっています。(参照:ETC利用照会サービス公式サイト)
ETCマイレージサービス
「ETCマイレージサービス」は、ETCの利用料金に応じてポイントが貯まり、そのポイントを無料通行分に交換できる、非常にお得なサービスです。こちらも登録は無料です。
【仕組みとメリット】
- ポイントの二重取り: クレジットカードのポイントとは別に、ETCマイレージサービスのポイントが貯まります。まさに「ポイントの二重取り」が実現します。
- ポイントの貯まり方: NEXCO3社(東/中/西日本)などの対象道路では、支払い額10円につき1ポイントが付与されます。
- ポイントの還元(交換): 貯まったポイントは、一定数に達すると自動的に「還元額(無料通行分)」に交換されます。例えば、NEXCO3社の場合、1,000ポイントで500円分、5,000ポイントで3,500円分といった形で交換され、次回の通行料金の支払いに充当されます。
- 平日朝夕割引の適用: 後述する「平日朝夕割引」は、このETCマイレージサービスに登録していることが適用の必須条件となります。通勤などで日常的に高速道路を利用する方は、必ず登録しておきましょう。
登録はETCマイレージサービスの公式サイトから簡単に行えます。ETCカードを手に入れたら、利用照会サービスとあわせて、真っ先に登録を済ませておくことを強く推奨します。
主なETC割引制度の種類
ETCを利用する大きなメリットの一つが、時間帯や曜日によって適用される割引制度です。ここでは、代表的な3つの割引制度について、適用条件や割引率を詳しく解説します。これらの割引を賢く活用することで、高速道路料金を大幅に節約できます。(参照:NEXCO東日本 ドラぷら E-NEXCOドライブプラザ)
平日朝夕割引
平日朝夕割引は、平日の通勤時間帯における利用を促進し、料金負担を軽減するための割引制度です。この割引を受けるには、事前に「ETCマイレージサービス」への登録が必須です。
- 対象日時:
- 平日(月~金曜日、祝日を除く)
- 朝: 6時~9時
- 夕: 17時~20時
- 対象区間:
- NEXCO3社(東/中/西日本)が管理する地方部の高速道路(東京・大阪近郊は対象外)
- 割引内容:
- 1ヶ月(1日~末日)の対象走行の利用回数に応じて、翌月20日にETCマイレージサービスの無料通行分として還元されます。
- 5~9回: 約30%分を還元
- 10回以上: 約50%分を還元
- 注意点:
- ETCマイレージサービスへの登録がなければ、条件を満たしても割引は適用されません。
- 還元額は利用料金に直接充当されるのではなく、後日ポイントとして付与される形です。
通勤や業務で日常的に高速道路を利用する方にとっては、最も恩恵の大きい割引制度です。月に10回以上利用すれば、通行料金が実質半額になる計算なので、対象となる方は必ずETCマイレージサービスに登録しましょう。
休日割引
休日割引は、週末や祝日のレジャー利用などをサポートするための割引です。
- 対象日時:
- 土曜日、日曜日、祝日
- (毎年1月2日、3日も対象)
- 対象車種:
- 軽自動車等、普通車(中型車、大型車、特大車は対象外)
- 対象区間:
- NEXCO3社が管理する地方部の高速道路(東京・大阪近郊は対象外)
- 割引率:
- 30%割引
- 注意点:
- 対象区間を1ミリでも走行していれば、割引が適用されます。
- 東京近郊(例:東名高速の東京IC~厚木IC)や大阪近郊の区間は割引の対象外なので、都市部を発着する際は注意が必要です。
週末に家族でドライブや旅行に出かける機会が多い方にとって、非常にメリットの大きい割引です。特別な手続きは不要で、対象日時にETCで走行するだけで自動的に適用されます。
深夜割引
深夜割引は、夜間の交通分散を目的とした割引で、曜日や車種を問わず適用されるのが特徴です。
- 対象日時:
- 毎日
- 0時~4時
- 対象車種:
- 全車種(軽自動車から特大車まで)
- 対象区間:
- NEXCO3社が管理する全国の高速道路(一部対象外の道路あり)
- 割引率:
- 30%割引
- 注意点:
- 割引が適用されるのは、「0時~4時の間に高速道路上にいた」場合です。例えば、23時に高速に乗り、翌朝5時に降りた場合でも、走行時間の一部が0時~4時に含まれているため、全走行区間が割引の対象となります。
長距離トラックのドライバーはもちろん、帰省や旅行で深夜に移動する一般ドライバーにとっても非常にありがたい割引です。出発や到着時間を少し調整するだけで、通行料金を大幅に節約できる可能性があります。
ETCカードを利用するときの注意点
便利でお得なETCカードですが、利用する際にはいくつかの注意点があります。思わぬトラブルを避けるためにも、以下のポイントをしっかりと頭に入れておきましょう。
ETCカードとクレジットカードの有効期限を確認する
ETCカードには、親カードであるクレジットカードと同様に有効期限が設定されています。カードの表面に「VALID THRU」や「有効期限」として「月/年」の形式で印字されています。
この有効期限が切れたETCカードを車載器に挿入しても、料金所のゲートは開きません。後続車との追突事故の原因にもなりかねない、非常に危険な状況です。
通常、有効期限が近づくと、カード会社から新しい有効期限の更新カードが自動的に郵送されてきます。新しいカードが届いたら、古いカードは必ずハサミで切って破棄し、車載器に挿入しているカードも新しいものに差し替えることを徹底しましょう。特に、普段あまり車に乗らない方は、久しぶりに高速道路を利用する前に、必ずカードの有効期限を確認する習慣をつけることが重要です。
クレジットカードを解約するとETCカードも使えなくなる
ETCカードは、あくまでクレジットカードの「付帯カード」です。そのため、親カードであるクレジットカードを解約すると、それに紐づくETCカードも自動的に利用できなくなります。
例えば、メインで使っていたA社のクレジットカードを解約した場合、A社発行のETCカードも同時に無効になります。このことを忘れて、解約したカード会社のETCカードを使い続けようとしても、ゲートは開きません。
新しいクレジットカードに乗り換える際は、新しいカード会社でETCカードを申し込むのを忘れないようにしましょう。また、複数のクレジットカードを持っている場合は、どのETCカードがどのクレジットカードに紐づいているかをきちんと把握しておくことが大切です。
車を買い替えたら車載器の再セットアップが必要
ETC車載器には、その車載器を搭載する車両の情報(ナンバープレート、車種、車検証の記載事項など)が登録されています。この登録作業を「セットアップ」と呼びます。
中古車を購入した場合や、友人から車を譲り受けた場合など、すでにETC車載器が搭載されていることがあります。しかし、その車載器には前の所有者の車両情報が登録されたままです。車両情報が異なるままETCを利用すると、正しい通行料金が請求されず、不正通行とみなされる可能性があります。
そのため、車を買い替えた(ナンバープレートが変わった)場合や、車載器を別の車に移し替えた場合は、必ず「再セットアップ」を行う必要があります。再セットアップは、カー用品店や自動車ディーラーなどのセットアップ店で行うことができます。費用は3,000円程度かかりますが、安全かつ正確にETCシステムを利用するための必須の手続きです。
ETCカードの挿し忘れや向きの間違いに注意する
非常に初歩的なミスですが、意外と多いのが「ETCカードの挿し忘れ」や「挿入方向の間違い」です。
車に乗り込む際にETCカードを挿し忘れたまま料金所に進入してしまうと、当然ながらゲートは開きません。また、カードの裏表や前後を間違えて挿入した場合も、車載器がカードを正常に認識できず、同様にゲートは開きません。
こうしたミスを防ぐためには、エンジンをかけたら必ず車載器の音声案内や表示ランプを確認する習慣をつけることが効果的です。多くの車載器は、エンジン始動時にカードが正常に挿入されているか、あるいは挿入されていないかを知らせてくれます。料金所に近づいてから慌てることのないよう、出発前の確認を徹底しましょう。
年会費無料のETCカードに関するよくある質問
最後に、年会費無料のETCカードに関して、ユーザーからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
ETCカードだけを発行することはできますか?
個人向けのETCカードは、原則としてETCカード単体での発行はできません。ほとんどの場合、クレジットカードの追加カードとして発行されるため、親となるクレジットカードとの同時申し込み、または追加申し込みが必要です。
もし、どうしてもクレジットカードを持ちたくない、あるいは審査に不安があるという場合は、クレジットカード契約が不要な「ETCパーソナルカード」という選択肢があります。ただし、ETCパーソナルカードは年会費(1,257円/税込)と、最低20,000円のデポジット(保証金)が必要になります。
クレジット機能なしのETCカードはありますか?
はい、あります。前述の「ETCパーソナルカード」がそれに該当します。このカードは、通行料金の決済機能に特化しており、店舗でのショッピングなどに利用できるクレジット機能は付いていません。通行料金は、事前に登録した銀行口座から後日引き落とされる仕組みです。
また、法人・個人事業主向けには「ETCコーポレートカード」があり、こちらもクレジット機能はありません。個人の利用では、クレジット機能なしを希望する場合、ETCパーソナルカードが唯一の選択肢となります。
申し込みから発行までどのくらいかかりますか?
カード会社や申し込み方法によって異なりますが、一般的には申し込みから1週間~2週間程度で手元に届くことが多いです。
クレジットカードの新規申し込みと同時にETCカードを申し込む場合は、審査に時間がかかるため、2週間以上かかることもあります。すでに対応するクレジットカードを持っている方が追加でETCカードを申し込む場合は、審査が不要なため1週間程度で届くこともあります。
もしお急ぎの場合は、セゾンカードインターナショナルのように、ETCカードも即日発行に対応しているカードを選ぶと良いでしょう。全国のセゾンカウンターで申し込めば、最短その日のうちに受け取ることが可能です。
ETCカードは家族で使いまわせますか?
ETCカードの規約上、カードの利用は名義人本人に限られています。そのため、例えば夫名義のETCカードを妻が運転する車で使う、といったことは規約違反となります。
ただし、名義人本人であれば、どの車(レンタカー、友人の車など)でも自分のETCカードを利用することは可能です。
家族それぞれが自分名義のETCカードを持ちたい場合は、「家族カード」を発行し、その家族カードに追加してETCカードを申し込むのが一般的な方法です。多くのクレジットカードでは、本会員のカードに付帯して、生計を同一にする家族(配偶者、18歳以上の子供など)向けの家族カードを、無料または格安の年会費で発行できます。
バイクでもETCカードは使えますか?
はい、バイクでもETCカードは利用できます。ただし、そのためにはバイク専用のETC車載器を取り付ける必要があります。
バイク用の車載器は、自動車用とは異なり、防水・防塵・耐振動性能が強化されているのが特徴です。取り付けには専門的な技術が必要なため、バイク用品店などの専門店に依頼するのが一般的です。
バイクでETCを利用するメリットは大きく、料金所で停車してグローブを外し、財布からお金を取り出すといった煩わしい手間が一切なくなります。特にツーリングなどでは、安全性と快適性が格段に向上するため、バイク乗りにとってETCは非常に便利なシステムです。